野菜に含まれる油が前立腺癌による早期死亡を減らす

Medical News Today 6月11日付けで面白そうな話題が掲載されていました。

 

Vegetable Fats Reduce Prostate Cancer Death Risk

野菜の脂肪が前立腺癌による死亡リスクを低減

 

これは、カルフォルニア大学が研究し、JAMA Internal Medicine に掲載されたものです。

この研究は4577人の男性を対象に1986年から2010年にわたって追跡調査されたものがベースになっているようです。4年毎に質問表に記入してもらい何を食べて何を飲んでいたのか様々なタイプのものを調査しました。

8年4ヶ月の間に315人の被験者が前立腺癌で死亡し、1016人の被験者が種々の原因で死亡しました。そのうち10%は炭水化物を含む高カロリーな食事と野菜の脂肪を摂取し、29%の人達で致命的な死につながる前立腺癌のリスクを低減し、26%の人達で種々の原因による死亡リスクを低減しました。

 

著者は次のように述べています。

-分析の結果、野菜の脂肪を前立腺癌の診断を受けてから摂取を増やすことで、前立腺癌による死亡リスクを低減する他、様々な死因についても好影響がある-

 

簡単なアドバイスとしては、炭水化物を減らし、植物性の食物を摂取すること、植物由来の油を使用すること、動物性食品を減らすことや動物性の油を減らすことです。

 

そして筆者はこう結論付けています。

-総合的にみれば、心臓のための食事と似たような指導を行っており、炭水化物の低減や不飽和脂肪酸、ナッツの摂取を勧めることで種々の原因による死亡率を低下させています。野菜の脂肪を摂取することで前立腺癌に特異的に効果があるかどうかは今後の研究の必要性があるでしょうー

 

Dr. Stephen J. Freedlandも同じように今後の研究の必要性についてコメントしています。

 

Dr. Freedlandは肥満と前立腺癌について関連があることを述べています。前立腺癌の診断を受けたなら、それ以上の体重増加に気を付けるべきだと言っています。

Richmanらの研究を参照すると動物性脂肪から炭水化物を含む野菜の脂肪の摂取に切り替えることで種々の健康に貢献してくれ、そのようにすることを推奨しています。

 

 

その他の前立腺癌と関係のある研究をここに一部紹介します。

  • 低脂肪な食事に魚油を多く加えることで前立腺癌の進行を遅くすることができます。
  • 地中海ダイエットは前立腺癌になるリスクを低減してくれます。
  • 菜食主義と運動を組み合わせることで前立腺癌の進行を遅くするか止めることができます。

 

なんともざっくりとした内容の報告でしたが、野菜を多く摂ることや青魚の脂肪摂取が健康に良いことはずいぶん報告が多くなり、一般的になりつつあります。

 

理想的な脂肪のバランスというのは

 

植物由来:魚由来:動物由来

 1 : 1 : 1

 

です。

多くの人で偏り過ぎているために、様々なメディアは油を減らす工夫をしています。しかしながら、重要なのはバランスですので、摂る量と摂取バランスを考えてみると、将来の自分や子供たち、孫の代にわたって良い結果をもたらすと思います。