夜中だけの頭痛

毎晩、深夜遅くになると頭痛に襲われる女性が来院されました。

彼女は深夜12時頃~3時頃までの間頭痛に襲われ、その間眠ることができないと訴えていますが、朝になると痛みが全くなく、普通通りの生活を送ることができました。

 

痛みで眠れないために、髪を引っ張ったり、かきむしったり、痛みを紛わすために様々な刺激を頭に加えていました。毎晩決まって3時頃を過ぎると痛みが徐々におさまり、再び眠りにつけるのです。

 

 

彼女の問題は非常に複雑でした。

何か頭痛を引き起こすキッカケがあるわけでもなく、環境や食べ物、飲み物、睡眠の質、カフェインや疲労などなどの生活要因とは一切の関係がなさそうな症状のタイプだったからです。

 

結果的には3回程度の施術で痛みは随分軽減し、頭痛は全体にあったものが左側に残る限りになりました。

 

彼女の問題を検査して確認することは非常に難しかったです。

頭痛のほとんどは誘発する因子もなく、検査することも困難ですから、症状のサインを注意深く聞くことで判断することができます。

 

しかしながら、彼女の頭痛はどのタイプの頭痛にも属さない・・・というか、症状がよくわからないものでした。痛みの質などの表現も難しく、夜中ということであまり記憶に残っていないことがほとんどでした。

 

注意しなくてはいけないのは脳神経系の病変が隠れている場合です。

彼女の脳神経を注意深く一つ一つチェックしていき、基本的な脳神経系の働きはできるようでしたが、舌の動きがよくなかったこと、左顔面の表情が右顔面と比較すると動きが少ないことが気になっていました。

 

それらの左右差を注意深く検査し、頭痛と直接の関係性がどこまであるかは判断できないけれど、その左右差をなくすように施術を試みたところ、2回目から頭痛が減少傾向になり、3回目では右側の頭痛はほとんど消失したようでした。